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仮面な人たちの恋愛夢小説

第36章 甘い紺色(電※)

「やっぱり俺、どっちかなんて選べない‥‥どっちも愛したいよ、テディ」


「ぁ‥‥幸太郎、それは‥つまり…」


「ああ。俺さ、テディも、‥二人とも好きなんだ。…愛してるんだ」


「幸太郎‥」


ふいに溢した俺の涙に、テディの───彼女の瞳が涙を流す。

テディが呟くように叫んだ声は、また彼女と重なって俺の耳に聞こえていた。


「可笑しいよな。テディに言える立じゃなかったんだよな…俺」


「そんなこと──」


『そんなことないよ、幸太郎』


ふいに聞こえたのはテディと重なった彼女の声ではなく、純粋な彼女だけの声だった。

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