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仮面な人たちの恋愛夢小説

第35章 シアン色の狂愛(D※)

僕はある時からこう、思うようになっていた。


君の苦しむ顔が見たい


君のその恐怖で震えている姿が見たい


愛するものが奪われ、悲しむ彼女が見たい…


可笑しいほどに思考は回転して、僕を狂気へと変えていった。


「見てごらん」


写真館の扉の隙間から見える士と夏海と姿。


二人っきりだと勘違いしているのか、士が大胆な行動に走っている姿を僕は彼女と見たんだ。


ふいに流れた涙は僕の狂気をくすぶって、もっともっと、って思った。

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