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「風邪引くぞーっ‥」


試しに頬を手の甲でぺちぺちと叩いてみるが起きる様子はない。

とにもかくにも、遠慮もなくど真ん中で寝られているものだから寝転ぶことも出来ずに彼奴の近くに腰掛けていた。

ふいに、俺と同じ香りのシャンプーが鼻について彼奴に近くと彼奴から匂いだと分かった。


「朝風呂入ってたんだな‥」


そんなことを呟きながらそっと頭を撫でた具合に、その髪に触れてスッと流すように持ち上げた。

同じシャンプーのはずなのに、何故か彼奴から漂う香りは俺よりも数倍甘く感じられた。

髪を流した具合に、ふと足元に目をやると彼奴の着ている黒のワンピースが少し上に上がっているのに気付いた。