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仮面な人たちの恋愛夢小説

第12章 咲く華、桜の如く(K)

『次狼‥っ』

起き上がった華桜は次狼に抱き着く。
彼女の身体は震えていた。

『次狼の声聞こえてた。ずっと。でも止められなかった‥』

「いいんだ。お前はこうして生きていてくれた。それに、それだけお前の両親の力が強かったってことだからな」

次狼に抱き着く彼女の身体の震えは話をしているうち収まっていった。

「そう言えばお前、いつの間にちゃんと俺のこと呼べるようになったんだ?」

『あ、そう言えば‥元に戻ったからかな?』

「かもな。前のお前もいいが、今のお前はもっといい」

髪を撫でて彼女を見つめる次狼に、彼女は少し恥ずかしそうにしていた。

『次狼。私、ずっと次狼に言いたかったことが──』

彼女が何かをいいかけた時、次狼の人差し指が言葉を閉ざした。

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