
仮面な人たちの恋愛夢小説
第12章 咲く華、桜の如く(K)
次狼は人の姿に戻り、深紅の狼に駆け寄る。
深紅の狼は目を瞑ったまま動かない。
そんな中、遅れて渡がやって来た。
「その紅い狼、もしかして華桜ちゃん?」
「ああ。もっと早く気付いていれば…」
ふと、次狼はあることに気付く。
季節外れの満開の桜の木の下で、倒れている傷付いた狼とそれを抱き抱える自分。
いつか何処かで見た光景──それは次狼が毎日見ていたあの不思議で奇妙な夢と全く同じだった。
「起きろ‥起きてくれよ…!」
次狼の頬に涙が伝う。
その次狼を目の前に、渡が次に行動を起こしていた。
渡はブラッディーローズを手に、父・音也の曲を引き始めたのだ。
次の瞬間だった。
ブラッディーローズの曲を聞きながら、桜の花びらがふと深紅の狼の頬に落ち、たちまちまばゆいばかりの光が包み込んだ。
深紅の狼は、いつの間に華桜の姿へと戻っていた。
深紅の狼は目を瞑ったまま動かない。
そんな中、遅れて渡がやって来た。
「その紅い狼、もしかして華桜ちゃん?」
「ああ。もっと早く気付いていれば…」
ふと、次狼はあることに気付く。
季節外れの満開の桜の木の下で、倒れている傷付いた狼とそれを抱き抱える自分。
いつか何処かで見た光景──それは次狼が毎日見ていたあの不思議で奇妙な夢と全く同じだった。
「起きろ‥起きてくれよ…!」
次狼の頬に涙が伝う。
その次狼を目の前に、渡が次に行動を起こしていた。
渡はブラッディーローズを手に、父・音也の曲を引き始めたのだ。
次の瞬間だった。
ブラッディーローズの曲を聞きながら、桜の花びらがふと深紅の狼の頬に落ち、たちまちまばゆいばかりの光が包み込んだ。
深紅の狼は、いつの間に華桜の姿へと戻っていた。
