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仮面な人たちの恋愛夢小説

第12章 咲く華、桜の如く(K)

『ママがそういうなら、かお、やるね』

華桜はネックレスを握ると繋ぎの部分を引きちぎって首から外した。
次狼はその行動を見て華桜がやろうとしていることを理解した。

「お前…」

『だいじょうぶ!いまのかおには、パパとママと、じろーがいるから』

首輪の窪みに紅い雫を嵌め込むと、あの痛みが再び華桜を襲った。
グッと首元を押さえつけその痛みに耐えているうちに、華桜の様子が変化していくのが分かる。
それはまるで、内に秘める何かが呼び覚まされるかのように──

『パパたちの仇、打つッ!』

凛とした口調でいう華桜は身長が伸び、16~7歳くらいの美少女に。
どうやらこれが本来の彼女の姿らしい。
美しい少女を目の前に、次狼は自分の目を疑った。

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