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仮面な人たちの恋愛夢小説

第12章 咲く華、桜の如く(K)

「華桜。ちょっと出掛けるか」

次狼が華桜を連れて向かったのは、華桜の父と母が共に眠る墓だった。
次狼は墓の前で手を合わせた。

『ありがとうじろー。きっとパパたちよろこんでる!』

「だといいけどな」

二人揃って立ち上がり帰ろうとした矢先、二人の鼻が同時に動いた。

『じろー』

「ああ。いるな、ヤツが」

無数の墓の間から姿を現したのは、華桜の父、母を殺したあのファンガイアだった。

『良くもパパとママを…ッ!』

「思い出したのか?あれだけ痛ぶったのにな」

「じゃあお前が華桜を…!」

「そうだ。やはり生命力は強いんだな‥」

ファンガイアの一つ一つの言葉に警戒心を強くしていく華桜。
その気迫は次狼にも伝わるようだった。
不意に、華桜の指が紅い雫のネックレスに触れたその瞬間一瞬硬直し、言った。

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