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仮面な人たちの恋愛夢小説

第12章 咲く華、桜の如く(K)

『じろー』

「何だ?」

『あのね。あのかいぶつと会ったとき、首輪がビリビリ!ってなったでしょ?あのときおもいだしたことがあるんだ』

「思い出したこと?」

『かおのパパのこととママから聞いてたこと』

「本当か?それでお前の母さんはなんて?」

『かおのパパはね、おおかみさんだったの。ママはパパが事故で死んじゃったって聞いたけど、あるときママがパパのおはかで言ってること聞いちゃったんだ。ほんとは…』

「あの怪物に殺されたんだろう?」

『え…うん。そう。でもどうして…』

「俺もお前の父さんと同じ狼だからだ」

次狼の言葉に言葉を失う華桜。
華桜は目を丸くして次狼を見ると言った。

『だから…だからじろーはいい匂いしてたんだ』

「お前は俺と同じ狼だったんだな」

『おなじ?』

「違うのか?」

『ママが言ってた。かおは、にんげんとオオカミのハーフなんだって』

「ほう‥人狼とは違うのか」

「とにかく良かったね。種族がもう一人いて」

「ああ。完全に俺以外は皆滅びたと思っていたが、ちゃんと子孫を残している奴がいたんだな」

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