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仮面な人たちの恋愛夢小説

第12章 咲く華、桜の如く(K)

『じろー、こわい…』

「あ…悪い…っ」

思い詰めた様な顔をしている次狼に華桜はその小さな体で目一杯次狼を抱き締めた。

『ママがね?苦しんでる人や悲しんでる人がいたら、こうやってするといいって。だからかお、じろーにこうやってする』

そんなことをいう華桜に対し我に返った次狼は華桜の想いが伝わったのか抱き締めていた。

「ありがとうな」

『じろー、もうだいじょうぶ?』

「ああ。俺よりも今はお前だ。その首輪のせいでお前は‥」

『ううん。違うの。ママがね、ぜったい外しちゃダメだって。もし外しちゃったらかお、こわれちゃうって。こわれるのはイヤ。だから外さない』

「壊れる?…そうか。じゃあ外せないな」

『もし外れちゃったら、かお、こわれちゃうのかな?』

「大丈夫だ。お前は俺が壊させやしない」

『ほんと?かお、こわれない?』

「ああ。壊れない。だから安心しろ。な?」

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