
仮面な人たちの恋愛夢小説
第12章 咲く華、桜の如く(K)
華桜と出逢ってから一ヶ月が経とうとしていた。
相変わらず次狼たちや時々渡に会ったりして普通の生活を送っていた。
華桜は渡の元を訪れるとバイオリン作りを暫く見た後、渡に出逢ってから釘付けのあのブラッディー・ローズの前に立ち、相変わらずブラッディー・ローズから漂う不思議な匂いが気になっているらしく、それが気にかかっていた渡は他人の前には絶対に出さないブラッディー・ローズを華桜に見せた。
「どんな匂いがする?父さんの匂いとか…」
『あっ、これわたるのパパの匂いだったんだ!スゴいいい匂い…わたるはこのばいおりん大事にしてるからいい匂いなんだね』
「そっか…父さんは僕の傍にいるんだね」
嬉しそうに笑みを溢す渡に華桜は頷く。その際不意に華桜がブラッディー・ローズに触れると玄が揺れて音を建てた。ブラッディー・ローズが知らせたのは“ファンガイア”が現れたことで何故かいつも渡にその事を知らせてくれている。
華桜は何かに取り憑かれたかのように呟いていた。
『よんでる…いかなきゃ…!』
突然そう呟いたかと思えば館を一心不乱に駆けて行った華桜に、次狼も渡も訳が分からないままとにかく後を追った。
相変わらず次狼たちや時々渡に会ったりして普通の生活を送っていた。
華桜は渡の元を訪れるとバイオリン作りを暫く見た後、渡に出逢ってから釘付けのあのブラッディー・ローズの前に立ち、相変わらずブラッディー・ローズから漂う不思議な匂いが気になっているらしく、それが気にかかっていた渡は他人の前には絶対に出さないブラッディー・ローズを華桜に見せた。
「どんな匂いがする?父さんの匂いとか…」
『あっ、これわたるのパパの匂いだったんだ!スゴいいい匂い…わたるはこのばいおりん大事にしてるからいい匂いなんだね』
「そっか…父さんは僕の傍にいるんだね」
嬉しそうに笑みを溢す渡に華桜は頷く。その際不意に華桜がブラッディー・ローズに触れると玄が揺れて音を建てた。ブラッディー・ローズが知らせたのは“ファンガイア”が現れたことで何故かいつも渡にその事を知らせてくれている。
華桜は何かに取り憑かれたかのように呟いていた。
『よんでる…いかなきゃ…!』
突然そう呟いたかと思えば館を一心不乱に駆けて行った華桜に、次狼も渡も訳が分からないままとにかく後を追った。
