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仮面な人たちの恋愛夢小説

第12章 咲く華、桜の如く(K)

『これいい匂い…わたると同じ匂いがする』

「匂いが分かるのか?」

『うんっ。きばっともいい匂いするよ?』

「どんな?」

『んー、せっけんの匂い』

「あっ、さっきお風呂入ったからね…」

拍子抜けして落ちそうなキバットに渡はクスクスと笑う。
そんな二人を他所に、黒いバイオリンに釘付けな華桜は気付けば泣いていた。
それに気づいた次狼がそっと寄り添う。

『ここ、いたい…っ』

胸を抑えて苦しそうにしている華桜。
黒いバイオリン・ブラッディーローズから何かを感じたのだろうか。遂には耐えきれず、その場に座り込んでしまった。

「少し疲れたんだろう。渡、彼処に連れて行ってもいいか?」

「次狼。まさか‥」

「仕方ないね。特別だよ?」

頷いた次狼は特別な道を辿ってとある場所・キャッスルドランへと脚を向けた。
キャッスルドランには次狼と同じ様な存在の仲間が二人いる。

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