
仮面な人たちの恋愛夢小説
第12章 咲く華、桜の如く(K)
それから朝ごはんを済ませた華桜を連れて店を出た。
「さて、何処行くか」
『じろーについてく』
「そうか?ならお前をいい場所に連れて行ってやる」
自然と手を差し出していた自分に少しこっ恥ずかしくなった次狼だが、華桜がその手を握るとそんな気持ちもすぐに何処かへといってしまっていた。
二人で街を歩いていると好奇の目が目立った。恐らく周りからしたら兄妹に見えたのだろう。
それから暫く歩いていると、街外れに隠れるように建てられた館を発見。大きな門に隔てられその門を抜けて館の中へ。
中は静まり返っていて、二階へと繋がる階段を登っていくと徐々に何かを削るような音が聞こえてきた。
階段を上がりきった先で広く開かれた扉の向こうに青年の後ろ姿があった。
やがて二人に気付いた青年が振り返った。
「あ、次狼…とその子は──」
『かお』
「華桜ちゃん。…次狼の友達?」
「友…まぁそんなところだ」
青年・紅渡はバイオリンを作るのが日課の引っ込み思案な性格。
華桜は渡に近付くと鼻をくんくんと鳴らして見詰めた。
「さて、何処行くか」
『じろーについてく』
「そうか?ならお前をいい場所に連れて行ってやる」
自然と手を差し出していた自分に少しこっ恥ずかしくなった次狼だが、華桜がその手を握るとそんな気持ちもすぐに何処かへといってしまっていた。
二人で街を歩いていると好奇の目が目立った。恐らく周りからしたら兄妹に見えたのだろう。
それから暫く歩いていると、街外れに隠れるように建てられた館を発見。大きな門に隔てられその門を抜けて館の中へ。
中は静まり返っていて、二階へと繋がる階段を登っていくと徐々に何かを削るような音が聞こえてきた。
階段を上がりきった先で広く開かれた扉の向こうに青年の後ろ姿があった。
やがて二人に気付いた青年が振り返った。
「あ、次狼…とその子は──」
『かお』
「華桜ちゃん。…次狼の友達?」
「友…まぁそんなところだ」
青年・紅渡はバイオリンを作るのが日課の引っ込み思案な性格。
華桜は渡に近付くと鼻をくんくんと鳴らして見詰めた。
