
願わくば、いつまでもこのままで
第8章 変化
「私それで憎んでたはずの園田のことが気になっちゃって、半年間気にしてた。
ずっと何もなかったみたいだけど……実は私、この前見ちゃったんだ」
「…一体何を?」
「公園での園田のこ・く・は・くっ」
ウィンクまじりのキメ顔で佐倉田は言った。
「……はっ、はああぁぁぁっ!!?」
てことは、あの場には4人もいたってのか…!!?
「てめっ、どこまできいたんだよ!!」
「え、全部」
「なっ…………!!」
あ、呆れた……
「はあぁ……」
肩を落とす俺。
その様子に佐倉田は少し驚き戸惑っていた。これほどの反応とは思ってなかったようだ。
「で、だから私は園田を……お、応援したくなったのよ!
でも、その前にはストーカーのときのこと清算しなきゃと思って……陽くん、悪かった。ごめんなさい」
佐倉田は深々と頭を下げた。
俺はこいつの意外なる一面をまだ正直信じ切れていないし、理解できてもいないのだが…
「佐倉田、頭あげろよ。……もう、いいから」
「……ありがと」
俺はくるっと背を向ける。
「じゃ、話はこれで終わりだな。
俺はもう帰る。じゃあな」
帰る気満々で歩く俺の腕が引っ張られた。
「ちょっ、まだ待ってっ」
話が終わったと思っていた俺はバランスを崩し
「なっ、おまっ……」
振り返った俺と、
バランスを崩した俺を前にして驚く佐倉田の唇が
見事に重なった。
「ん…!?」
「っ…!!」
まさかの、じ、事故チュー!!?
