
願わくば、いつまでもこのままで
第8章 変化
______あの日、私を家まで送るとすぐに帰ろうとした園田につい聞いてしまった。
「ねえ、なんであんたは泉陽が好きなの?」
園田を苦しめるためストーカー行為をしたが、ずっと疑問だった。
悔しいけど、園田は確かに外見は美人でスタイルも良く、男なんて選び放題みたいなもの。
その園田が何故あんな冴えない特にイケメンでもない泉陽を好きになったのか。
振り返った園田はうっすら笑っていた。
「なんででしょうね」
「は…?」
「理由なんて私にも分からない、誰にも分からないわ。でも、強いて言うのなら……私がこの私で、泉があの泉だからかな」
「……」
「……なんて、理由にもならないね
ねえ、佐倉田弥生。
泉のこと好きなら、ちゃんと真っ向から向かっていきなさいよ。
ストーカーするほど好きなんでしょ?
勿体無いよ、その気持ち」
園田は呆然とする私を置いて帰っていった。
なんなんだ、あの女……
普通ストーカー相手を励ますか?
馬鹿だろ、予想以上の馬鹿だ
あんな……哀しそうに笑いながら言ったって、説得力ないっつーの
自分が真っ向から向かって
苦しんでんじゃねえか……______
