
願わくば、いつまでもこのままで
第8章 変化
佐倉田に手を引かれ夜の街を歩く。
「……おい」
「フフッ」
「おい、佐倉田」
「んー?なーに??」
「なーに、じゃないだろ。
今どこに向かってんだ?」
「えっとねー、私の家」
「は?
なんで俺がお前ん家に行くんだよ」
「べっつにいーじゃん
それとも陽くんはか弱い女の子を家まで送ってあげることぐらい、できない男なの?」
イラッ
俺は口を閉じ、嫌々ながらも佐倉田に手を引かれたまま。
佐倉田はその俺を少し振り返って見ると
また「フフッ」と笑った。
夜はネオンが輝き街を薄く照らす。
それが住宅街に入るとネオンは無くなり、街灯だけの暗い夜になる。
静かな夜道
2人の足音だけが聴こえた。
