願わくば、いつまでもこのままで
第8章 変化
「ねえ陽く〜ん」
「やめろっ、腕絡ませんな」
馴れ馴れしく腕を組ませる佐倉田の手を俺は引き剥がすが、それでもしつこく絡みつく。
俺は諦めて腕を放った。
合コンも始まってだいぶ時間が経った。
わりとお酒がまわってほろ酔い程度になっている。
俺は佐倉田の腕を剥がして立ち上がった。
「俺そろそろ帰るわ」
「ん、陽もう帰んの?」
梶木が酒で赤くした顔を向けてくる。
「悪いな、それじゃお先にー」
別れを告げ店を出た直後
いきなり腕を引っ張られた。
「うわっ!」
バランスが崩れたが
背中に手が回され支えられた。
見ると、やはりというか
佐倉田が俺の腕を絡ませにこにこと隣に立っていた。
「……なんで」
「ねっ、陽くん。少し散歩しようよ。
夜風にあたりながらさっ」
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