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願わくば、いつまでもこのままで

第5章 市民プール

ああっやっぱり嫌だ!

そんなの認めたくない……!!






……でも、それが事実



なんで?なんで?なんでなの??


目が合ったから?

その場の空気にのまれて?




……私が、陽君に見惚れていたから?

いつもと違う目で見ていたからなの?



やだ、やだやだやだやだ


おかしい
やっぱり今日の私、なにかがおかしいんだね



こんな……だって陽君は…


私にとって、弟的存在。
私の旦那さんの弟。


それ以上でも以下でもないはず。










……もしかして…



陽君が私のこと友達に


「彼女」だって紹介したから……?







「ねえ陽君」


「えっ、何?」



不意に呼んだからか、

陽君は驚いた顔でこっちに向いた。



「陽君は、なんで私のことを
今日の朝彼女だって嘘ついて紹介したの?」



陽君は目を丸くして私を見た。

その額には、うっすらと冷や汗がたれている。



「あの、それは、彼女だって言うのが1番いいかと思って……。
兄貴の嫁だなんて言ったって、そんな人が何故ここに?ってなるからさ」



「でも、昔の友達だとか言ってくれたらよかったじゃない」



「あ、うん。そうだよね。
本当にごめん!
その時パッと思いついて言っちゃって……兄貴にも、失礼だもんな…」



その時の陽君の落ち込んだ何故か寂しげな表情は、見ててこっちもつらいものだった。




「いや、私が言い過ぎちゃったね。
ごめんなさい。
私今日陽君たちと遊べて本当によかった。

誘ってくれてありがとう」




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