
願わくば、いつまでもこのままで
第5章 市民プール
「?おーい、比奈ちゃーん」
「…えっ、あ、何?」
陽君は私の前でブンブン振っていた手を止めた。
「いや、また比奈ちゃんボーッとしてたから」
「あ……ごめんね」
なんだろう……さっきの気持ち
私にとって陽君は義弟なのに
身体から感じた、陽君の男らしさ……
カアアァァァッと顔が熱くなって
急に恥ずかしくなった私はつい俯いた。
「比奈ちゃん?」
「……」
なんだろう、なんでだろう
今日の私、何か変……!
バシャッ
「冷たっ」
いきなり後ろから大量の水が私にかかった。
振り返ると
ちょうどその人は私の横を通り過ぎ
陽君の隣に肩を並べた。
「おい園田!
いきなり比奈ちゃんに何やってんだよ」
「園田さん……?」
園田さんは眉をハの字にさせ
フンッと首を横に振った。
