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手紙~天国のあなたへ~

第6章 別離

 夢は終わったのだ。
 こうして苛酷な現実に戻ってきたからには、この状況を甘んじて受け止めなければならない。
「判っている。抵抗など今更しない」
 世子は低い声で言うと、素直に立ち上がった。その周囲を物々しく武装した兵たちが素早く囲む。

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