
手紙~天国のあなたへ~
第6章 別離
その反面、働きどおしに働いても満足な暮らしができず、いつも腹を空かせている者たちを見かけると、暗澹とした想いに囚われた。子どもらしい福々しさなど微塵もなく、痩せて虚ろな眼をしている子どもたちを見かける度に、やるせない哀しみを憶え、無力すぎる自分を恥じた。
一部の特権階級の人間たちだけが利を貪り、民を虐げ一方的に搾取するのは間違っている。こんなこの国のあり方が正しいとは到底も思えないと父王のやり方に否定的な想いを抱いていたのは事実だ。だからといって、父に刃を向けるとか、父から王座を奪おうなどと大それた企みを考えたことは一度たりとてない。
今の政に疑問を持ちながらも、何をもなし得ず、ただ手をこまねいているしかない我が身でが歯がゆかった。応えのない迷路に迷い込んでしまったような日々に、鬱々としていた。
一部の特権階級の人間たちだけが利を貪り、民を虐げ一方的に搾取するのは間違っている。こんなこの国のあり方が正しいとは到底も思えないと父王のやり方に否定的な想いを抱いていたのは事実だ。だからといって、父に刃を向けるとか、父から王座を奪おうなどと大それた企みを考えたことは一度たりとてない。
今の政に疑問を持ちながらも、何をもなし得ず、ただ手をこまねいているしかない我が身でが歯がゆかった。応えのない迷路に迷い込んでしまったような日々に、鬱々としていた。
