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BL~中編・長編集~

第21章 ~番外編②~

「………」

「? 佐藤、どうかしたのか?」

暗い顔をして俯く佐藤。

さっきまで、こんな顔はしてなかったんだけどな。

「…たまにさ…不安になるんだよな。 幸村は、こんな俺のどこが好きなんだろう…って。」

それは、誰にでもあることだろう。

俺だって、時々そう思うことがある。

「あいつはさ…俺と違って顔も整ってるし、周りにいる友達だってきれいな顔した奴らだろ?

そういうのを見てるとさ、思うんだよな。

こいつには、俺なんかよりお似合いの人がいるんじゃないか。って。

それに…二人きりになれば、いつも身体ばっかり求められるし…

もしかしたら、あいつにとっては身体だけの関係で、俺だけ自惚れてるんじゃないか…なんて…な。」

「佐藤…」

そんなの、俺だってある。

潤が町で女子に声をかけられたりしてると、すごくお似合いに見える。

でも…

「自信持てよ。 あいつは、遊びで人と付き合うような人間じゃない。

お前のことをちゃんと想ってくれてるって、お前が一番わかってるだろ?」

潤は、俺のことを愛してるって言ってくれるから。

こんな汚れた自分を…誰よりも綺麗だと言ってくれるから。

だから…

「あいつがお前を信じてくれてるように、お前もあいつのことを信じろ。」

「………」

潤が俺を信頼してくれているように、俺も潤を信じる。

「ま、お前の気持ちがわからないわけじゃないけどな。

やっぱり、女の子なんかと一緒にいるところを見ると、そっちの方がお似合いだと思うし…」

「…瑞城…」

「ん?」

世間的に見たら、男と付き合ってるのはまずいだろうし…

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