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BL~中編・長編集~

第21章 ~番外編②~

「そんな怖い顔しないでよ。 ちゃんと、あの子のことを想っていってるんだから。」

「じゃあ、どうして…」

本気で先生のことが好きなのに。

「あの子はまだ子供だ。 社会というものを、ほとんど知らない。

大人になって社会に出た時、色んな人間に出会うだろう。

もしかしたら、僕以上に好きになる人ができるかもしれない。

そうなった時、あの子を困らせたくないんだよ。」

「………」

さすが。 大人は違うか。

「先生って、ドSのくせに優しいんですね。」

「ははは。 それはどうかな。」

あぁ…笑顔が怖い。

「………」

まあ、あいつの気持ちがこの人から離れることなんて、ないと思うけどな。

「ん~…なに?」

「おや。 起こしてしまったかな?」

のそのそと起きてきたのは、佐藤だった。

まだ眠そうだな。

「ふぁーあ…おはよー…」

「はよ。 まだ寝てれば?」

俺の言葉に首を振ると、佐藤は俺の隣に腰かけた。

「いや…補習出ないと。」

「そんな状態で?」

どんだけ真面目だよ。

「俺はお前みたいに頭よくねぇの。」

「俺、そんなによくないけど。」

まあ…せっかくだし、補習に出るか。

近藤も起きて来なさそうだし。

「謙遜すんなよ。」

「いや、ほんとだし。」

さて…そろそろ行くか。

「補習行くか。 暇だし。」

「だな。」

「学生は勉強すべし。 ですね。」

もうすぐで受験だ。

勉強勉強。

「近藤はどうする?」

「寝かせてやれ。」

補習で習ったことは、後で松下が教えてやるだろうし。

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