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BL~中編・長編集~

第16章 ~Riproduzione~

「・・・・・」

だからと言って、豊を陥れていいわけがない。

俺は・・・こいつのそういう所が許せないんだ。

「僕がその人に勝てないことってなんなの? 僕・・・直すからっ・・・直すから、僕を捨てないでよ・・・」

「・・・・」

こいつは、俺のことが好きなだけ。

本当にそうなのだろうか?

こいつはいろんな人間を、豊のように陥れてきたのでは?

その度に、恋人を取り換えていて・・・・

「潤っ・・・」

・・・それはないだろう。

雨宮の目は、真剣そのものだ。

「悪いけど・・・俺が好きなのは豊なんだよ。」

「っ・・・」

こいつは、人の愛し方が他の人と違うだけ。

俺は、それを受け入れられなかった。

「それに・・・・俺は、清水と協力して豊を苦しめるような奴とは付き合えない。」

「なっ・・・」

「え?」

どうして俺がそのことを知っているのか。

それは、前の人生で雨宮から聞いたから。

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