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BL~中編・長編集~

第16章 ~Riproduzione~

「汚れてなんかない。 豊は、誰よりもきれいだよ。」

「で、でも・・・俺はっ・・・・雨宮みたいに可愛くないし・・・」

心配なのはそこか。

そんなことを言う豊が可愛いと思えてしまう俺は、もう豊以外好きになれないだろう。

「馬鹿。 俺、愛してるって言っただろ? 豊じゃないとダメなんだって。」

「・・・っ・・・」

そう言えば、豊は泣きだしてしまった。

「くっ・・・ぅ・・・・」

「泣くなって。」

ほんと、豊は可愛い。

どうして、こんなに可愛いことに気が付かなかったんだろう。

「豊・・・」

「潤っ・・・」

お互い、きつく抱き合った。

45年の時を埋めるように。

「・・・豊、キスしていい?」

「ぅ、ぅん・・・・」

少し体を離し、豊の頬に優しく触れる。

泣いたせいで潤んでいる目。

「んっ・・・ぅ・・・」

豊の唇・・・柔らかい。

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