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BL~中編・長編集~

第12章 ~こんどこそ一緒に~

「クロを好きなのはミケであって、俺じゃない。」

たとえ俺の前世がクロの事を好きだったとしても、それはミケの気持ちだ。

俺はミケであり、ミケは俺である。

しかし、俺はミケじゃないし、ミケは俺じゃない。

記憶があるからと言って、俺がその人を好きになるとは限らないのだ。

「わかった。 じゃあ、シロは?」

「は?」

思わぬシバの言葉に、ココアを飲もうとした俺の手が止まった。

「クロの生まれ変わりとか関係なく、シロのことは好きじゃないのか?」

「・・・・・」

クロの生まれ変わりとかじゃなくて・・・・シロ一個人として・・・?

「・・・シバにはどう見える?」

逆に、シバに聞き返した。

そのことが予想外だったのか、シバは一瞬驚いたように固まった。

「なんか・・・・特別って感じ?」

「特別?」

別に・・・シロを特別扱いしてるつもりはないけど・・・

「ああ。 ハルが一緒にいることを許した時点で、特別なのかなって思ってたけど・・・
だってさ、ハルは人を寄せ付けようとしないだろ? 俺の時も最初はそうだったし。」

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