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BL~中編・長編集~

第12章 ~こんどこそ一緒に~

やっぱり、シバも覚えてないのかな?

自分の名前を思い出したら、なにか他のことを思い出せる気がするのに・・・

「・・・・ミケ。」

「・・・え?」

驚いて顔を上げると、シバと目があった。

「ミケだよ。 お前の名前は。」

「ミ・・・・ケ・・・?」

自分でその名前を口にした瞬間、心臓が重く脈を打った。

「そうだ。 三毛猫のミケ。」

「ミケ・・・」

名前を口にする度に、新しい記憶が頭の中に流れてくる。

『お母さん・・・』

『愛してるよ、ミケ。』

『クロ、好き・・・』

一気に記憶が戻ってきて、軽い頭痛がした。

「っ・・・」

「ハル、大丈夫か?」

心配そうに聞いてきたシバに、軽く微笑む。
自分は、大丈夫だと。

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