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BL~中編・長編集~

第12章 ~こんどこそ一緒に~

「・・・その後の記憶はないんだ。」

「ぇ・・?」

記憶がない?

俺が断片的にしか覚えてないように?

「俺の記憶は、さっき話したことが全部だ。 覚えてるのは、お前の前世の姿と、ものすごい後悔だけ。 なんで後悔してるのか、理由はわからない。」

「そっ・・・か・・・・」

シバが覚えてる後悔の理由と、俺が覚えてる後悔の理由は一緒なんだろうか?

いや・・・

俺が感じてるのは、後悔よりも、罪悪感に近い・・・・気がする・・・

「・・・・・なぁ、シバ・・・・」

「ん?」

もしかしたら、シバは覚えてるかもしれない。

「俺の・・・・名前、覚えてる?」

「名前? ハルの?」

シバの言葉に、俺は黙って頷いた。

「覚えてないのか?」

「・・・うん。 自分の名前が思い出せなくて・・・・」

うつむいたまま答えると、シバは黙ってしまった。

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