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BL~中編・長編集~

第12章 ~こんどこそ一緒に~

まだ少ししか聞いてないけど、どこにも後悔するような要素はない。

シバは何を後悔してるんだろう?

「そいつが好きになったのは、大学で一番人気があるって言っても過言じゃないくらいの奴でさ…相手は犬だった。

猫と犬なんて合うわけがないと思って、俺は反対したんだ。
でも、止めても無駄だろうって薄々思ってた。 

だって…どんなことも諦めてたあいつがあんなに本気になってるのを、俺は見たことがなかったからな。」

なんだろう、この雰囲気?

俺、この感じがすごく好きだった気がする。

「結局俺は、あいつが付き合うのを認めた。 でも、あの時止めてればよかった。」

悔しそうに顔を歪めたシバ。

なんだかその顔を、見たことがあるような・・・ないような。

「・・・・ハル?」

『━━━・・・?』

一瞬、誰かとシバが重なった。

「お前の・・・」

「?」

気が付いたら、口が勝手に動いていた。

「お前の・・・・・名前は・・?」

「名前? 『トラ』だよ。」

ト・・・・ラ・・・・・?

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