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BL~中編・長編集~

第9章 ~大切なもの~

「・・・・」

吉村が言い争いをしていた相手を見て、俺は固まった。

「やっぱりここにいたな。」

「か・・・ずま・・・・・」

どうしてここに・・・

吉村はため息をつくと、俺をかばうようにして前に出た。

「来い、奏多。 帰るぞ。」

「嫌だ・・・」

目の前の吉村に隠れるようにしてそう言う。

「・・・っ・・・・・来い!!」

「ちょっ!!!」

俺の言葉が頭にきたのか、一馬は俺の腕を掴んで無理矢理この場から連れ出そうとした。

「おい、やめ・・・」

「うるせぇ!!!!」

一馬は、俺を引き離そうとした吉村の腕を振りほどくと、吉村を殴り飛ばした。

「っ!!!」

「吉村!!」

倒れた吉村に、一馬は冷たく言い放った。

「こいつは俺のもんだ。 部外者は引っ込んでろ。」

その言葉に、俺は完全にブチ切れた。

「ふざけんな!!」

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