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BL~中編・長編集~

第9章 ~大切なもの~

俺が反抗したことに驚いたのか、一馬の腕は簡単に振りほどけた。

「今まで散々浮気してきて、俺の気持ちなんて考えたこともないくせに、今更彼氏面なんかすんなよ!!!」

これまで溜め込んできた不満が一気に爆発して、俺は言葉を止めることが出来なかった。

「家事やってくれる奴がいなくなって困るかもしれないけど、お前ならすぐに俺の代わりを見つけられるだろ!?」

「かな・・・」

俺は一馬の言葉を遮って話し続けた。

「俺なんてただのセフレ同然で、恋人だなんて思ったこともないくせに!!!」

最後の言葉を言ったら、自然と涙が溢れてきた。

「奏多・・・」

「・・・っ・・・・帰れよ・・・頼むからっ・・・」

こんな姿・・・一馬には見せたくなかった。

「・・・・来い!!!」

「ちょっ・・・」

俺の言葉を無視して、一馬は俺の腕を掴んで歩きだした。

「離せよっ!!」

なんなんだよ・・・・どうしてこんなことするんだよ。

「一馬!!」

近所の公園に差し掛かった所で、一馬の手を振りほどいた。

「なんだよ、お前・・・どうして・・・・」

お前は・・・・これ以上俺を苦しませるつもりなのか?

「もう・・・解放してくれっ・・・・」

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