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BL~中編・長編集~

第9章 ~大切なもの~

ドアを開けようとすると、俺が手をかける前にドアが開いた。

「奏多?」

「ぁ・・・お帰り。」

このタイミングで、一馬が帰ってきてしまったのだ。

「今からどっか出かけるのか?」

「あぁ・・・・今日は遅くなるから。」

一馬の顔を見ずにそう答える。

「お腹すいたらカレー温めて食べ・・・」

「どこに行くんだ?」

出て行こうとしたら、一馬に腕を掴まれた。

「は?」

「誰と、どこに行くんだよ?」

意味が分からない。

「なんでお前にそんなこと言わないといけないんだよ。」

「・・っ・・・」

俺の返答に、一馬は唇を噛み締めた。

「っ!? ちょっ・・・」

かと思えば、一馬は俺の腕を引き、自分の部屋に引っ張り込んだ。

「一馬!!?」

そのまま、ベッドに押し倒された。

「いっつ・・・なんだよ・・・・」

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