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BL~中編・長編集~

第9章 ~大切なもの~

「従兄弟です。」

その問いに答えようとした一馬の声を遮り、そう答えた。

「奏多?」

「今、一馬と同居させてもらってます。」

「そうなんですか。」

安心したように微笑んだ男の顔を見てから、キッチンに入った。

「はぁ・・・」

後はルーを入れて煮込むだけのカレーを見つめる。

俺・・・なにやってるんだろう。

「じゃあ、俺そろそろ帰るね。」

「あぁ。 送って行くよ。」

ルーを入れてカレーを煮込んでいると、リビングからそんな声が聞こえた。

「奏多。 こいつ送ってくる。」

「あぁ。」

一馬の言葉に冷たくそう返し、二人が出て行くのを待った。

「お邪魔しました。」

玄関から男の声が聞こえると、すぐにドアが閉まる音がした。

「・・・・」

いつまでこんな生活を続けないといけないんだろう。

「!!」

大きくため息をついたと同時に、携帯が鳴りだした。

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