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BL~中編・長編集~

第8章 ~幸せはすぐそこに~

「ほんと、副会長って馬鹿だよね。」

「あぁ。 騙されてるとも知らないでさ。」

騙されてる?

話が気になり、そのまま聞き続ける。

「僕とあの男が組んでるとも知らないでさ。 まじになってやんの。」

「最高だよな。」

翠?

組んでるって・・・あの、翠を誘拐した男と?

「ほんとは犯されてくれるだけでよかったのに、まさか、相手を刺してくれるなんてね。」

「あれのおかげであいつ孤立したしな。」

確かに、あの事件で豊は孤立した。

「潤にも避けられてやんの。」

「避けられた時のあいつの表情、見ててかわいそうになるくらい泣きそうだったよな。」

そんなこと、気づかなかった。

いつ見てもあいつは清水と一緒にいて、楽しそうに笑ってた。

「まあ、ちょっと狂ったけど、全部作戦通りに終わったし。」

「清水が植物状態になったのは予想外だったな。」

なんだ? どういうことだ?

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