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BL~中編・長編集~

第7章 ~むかしむかしの恋物語~

伊代の真剣な目を見て、麻紀はゆっくりと手を離しました。

「・・・・そっか。」

「・・ごめん。」

伊代は最後にそう謝ると、百の後を追って走り出しました。

「百っ!!」

走り出したはいいものの、百がどこへ行ったのか、伊代は見当もつきません。

心当たりがある場所はすべて探しましたが、百は見つかりませんでした。

「百・・・」

伊代が諦めかけたその時、遠くから人間の声がしました。

「ちくしょー・・・さっきのオオカミ、絶対捕まえてやる。」

オオカミという言葉に、伊代の頭の中に百の姿が浮かびました。

「絶対捕まえて剥製にしてやろうぜ。」

「ああ。」

人間たちの会話を聞いて、伊代は声がする方向に走り出しました。

「・・百・・・ッ・・・」

足が速い伊代は、すぐに人間たちのいるところまで来ることが出来ました。

「見つけた。」

人間たちの視線の先には、百の姿があります。

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