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BL~中編・長編集~

第7章 ~むかしむかしの恋物語~

伊代の質問に、麻紀はしばらく答えませんでした。

「どうして?」

「・・・・・・だからだよ。」

もう一度聞くと、麻紀はようやく口を開きました。

「・・お前のことが・・・好きだからだよ。」

「・・・ぇ・・・?」

突然の告白に、伊代は頭が真っ白になりました。

「好きなんだよ、お前のこと。」

「・・・なに・・言って・・・」

伊代は思わず、麻紀から目を逸らしてしまいました。

「なあ伊代・・・俺を選べよ。」

「・・・・」

伊代の肩を麻紀はしっかりとつかみます。

「あんなオオカミよりも、俺と一緒にいた方が幸せになれるって。」

「・・・幸せに・・・?」

麻紀の言葉を聞きながら、伊代は百のことを思い出しておりました。

「そうだよ。 俺と一緒にいれば、喰われる心配もないし。」

僕が百に喰われる・・・

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