
秘書のお仕事
第8章 失態
ドクン
ドクン
ドクン
緊張の汗が額を流れる
早く、早く早く…
その扉を開けろ〜
カチャリ…
『!!』
ドアノブが回り、あたしはバケツを後ろに引いた
そして扉が開いたと同時に、放り投げるように水をぶちまけた
さらば鬼社長…
今まで散々やってくれて、どうもありがとう
でもそれも、今日のあなたの羞恥によってチャラにしてあげる
水は綺麗にバケツから飛び出し、前方にいる社長に向かって飛びかかった
さあ、そのずぶ濡れの姿を、あたしに見せて下さいな…
『も、申しわけございません!!
私としたことがうっかり…』
演技をしながら社長の姿を見たあたしは、愕然とした
「きゃあああああーーーー!!!!」
水を被ったのは
社長じゃなかった…
