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二十歳になれば

第6章 居場所


一生懸命勉強した。


あの親にこの子ありと言われたくなかった。


今にしてみればたぶんそれが自分で見つけた居場所だった。


そこがどんなに不本意な場所であっても、どんなに自分自身が不潔に思えても、死ぬ方向には向いていなかったのだから。


ある大雨の朝、登校前に生ごみの袋を抱えてごみ置き場まで行く途中、袋が破裂したことがあった。


雨に打たれて、泣きながら道路に散乱した生ごみをかき集めた。





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