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恋心

第22章 蛇

あの事件以来
店は、身分証を提示し
何かを書いてから入店しなければ
いけなくなっていた。

顔面蒼白になっていた
従業員が
今日は笑顔で俺を見ながら
白いメニューを持ち出し
俺に見せた
髪から流れる雫が、調度
蝶子の写真に垂れた…


あの最後の別れのように
蝶子の頬に涙が流れたようにみえた。


従業員は
長い廊下を歩き
小さな個室を開き
中で待つように指示した。

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