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恋心

第22章 蛇

男は、警察に連れていかれ
女は、担架に乗せられ
口から泡をふいていた。

逆さクラゲは…悠々と揺れながら
やっぱり俺を見下ろしていた。


長い廊下を女や男が
ザワザワと行き交う時


遠い場所から外を見ていた女がいた
白いはだ
哀しげな眼で
男と女を見送っていた。


俺はすかさず
隣にいた女の腕をつかみ
あの女性の名前を聞いた。



蝶子…



飛べない…蝶



俺は…見つけた。

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