
どらくえ3
第3章 ナジミの塔
「先の戦いで負った傷にバブルスライムが体当たりしてきたの」
リサが説明する。
「解毒の術も心得てはいるんじゃが、なにぶん年には勝てませんわい」
ムタイは口端を上げて笑ってみせた。
「アベル、毒消し草があったろう。薬草も」
「うん」
鞄から取り出してイースに渡す。
イースはそれを合わせて磨り潰して、絞り汁を濾すと、薬となった液体をコップに入れてリサに渡した。
「いいの?」
リサの問いにイースは黙って頷く。
「さ、飲んで元気になってムタイ」
リサがムタイの口に薬をゆっくり注いだ。
ムタイは薬を飲み干すと目を閉じて、ふーっ、と息を吐いた。
「効きますわい」
「しばらくすれば腫れも落ち着くだろう。」
―う~ん、イースは何でも知ってるな。
そんなことを考えていた俺に気づいたのか、
「アベルも薬草や毒消し草の使い方は覚えた方がいいぜ。その時々でいろんな使い方があるからな」
と言った。
その後、ムタイの顔色はみるみる良くなってきた。
ムタイは体力が奪われていたのか、そのまま眠りに落ちたようだった。
この様子だと快方に向かうだろう。
「あの…」
ムタイの様子を見ていたリサが立ち上がってアベル達に向き直ると、突然お辞儀をした。
「薬、ありがとう」
―!
アベルはまさかリサが礼を言うなんて驚いて、思った。
―なんだ、素直なとこもあるんじゃないか。
「いーってことよ、お互い様だ」
イースは笑ってリサにそう言った後、リサをボーッと見ていた俺に耳打ちした。
「いい子じゃねえか?」
「どこが?」
俺はイースからそっぽを向いて知らん顔をした。
イースはクスクス笑っていた。
俺がイースに言い返そうとしたとき、突然
「ぐおぉーぐおぉー…!」
と大きな音が響いた。
音の主はムタイの馬鹿でかいいびきだった。
俺はイースに文句を言うタイミングを失ってリサを見た。
「いつもなの」
リサはアベルにそう言うと笑った。
俺とイースも笑ってしまったのだった。
リサが説明する。
「解毒の術も心得てはいるんじゃが、なにぶん年には勝てませんわい」
ムタイは口端を上げて笑ってみせた。
「アベル、毒消し草があったろう。薬草も」
「うん」
鞄から取り出してイースに渡す。
イースはそれを合わせて磨り潰して、絞り汁を濾すと、薬となった液体をコップに入れてリサに渡した。
「いいの?」
リサの問いにイースは黙って頷く。
「さ、飲んで元気になってムタイ」
リサがムタイの口に薬をゆっくり注いだ。
ムタイは薬を飲み干すと目を閉じて、ふーっ、と息を吐いた。
「効きますわい」
「しばらくすれば腫れも落ち着くだろう。」
―う~ん、イースは何でも知ってるな。
そんなことを考えていた俺に気づいたのか、
「アベルも薬草や毒消し草の使い方は覚えた方がいいぜ。その時々でいろんな使い方があるからな」
と言った。
その後、ムタイの顔色はみるみる良くなってきた。
ムタイは体力が奪われていたのか、そのまま眠りに落ちたようだった。
この様子だと快方に向かうだろう。
「あの…」
ムタイの様子を見ていたリサが立ち上がってアベル達に向き直ると、突然お辞儀をした。
「薬、ありがとう」
―!
アベルはまさかリサが礼を言うなんて驚いて、思った。
―なんだ、素直なとこもあるんじゃないか。
「いーってことよ、お互い様だ」
イースは笑ってリサにそう言った後、リサをボーッと見ていた俺に耳打ちした。
「いい子じゃねえか?」
「どこが?」
俺はイースからそっぽを向いて知らん顔をした。
イースはクスクス笑っていた。
俺がイースに言い返そうとしたとき、突然
「ぐおぉーぐおぉー…!」
と大きな音が響いた。
音の主はムタイの馬鹿でかいいびきだった。
俺はイースに文句を言うタイミングを失ってリサを見た。
「いつもなの」
リサはアベルにそう言うと笑った。
俺とイースも笑ってしまったのだった。
