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恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

「で、でも…そんなこと…」

「うるさい。 誰がなんと言おうと、俺はお前が好きなんだよ。」

「…っ…」

本当に?

喜んでいいのか?

「第一、お前鈍すぎだろ。 俺が好きでもない男を抱くと思うか?」

「そ、れは…」

言われてみれば、そうかもしれない。

ニック様が、誰でも抱くとは思えないし…

「し、しかし…いつから私のような者を…」

「……………だよ。」

「え?」

今、なんて仰られた?

「だから!! ガキの頃からずっと好きだって言ってるだろっ!!」

「え? え?」

小さい頃から?

でも、お会いしたことなど…

「一回だけ…俺が日本に来た時、お前に会ったことがあるんだよ。」

「ぇ…」

そんなことあったっけ?

「まだ俺は小学校に上がったばかりで…お前は中学に上がったばかりだったかな。」

中学に上がったばかり?

学業に専念しろと、旦那様に言われていたから…あまり執事の仕事をしていなかった。

屋敷に戻った時、双子の外人の男の子を紹介されたけど…

もしかして、あれが?

「一目惚れだったんだぞ。 あれから、何年想ってると…」

「ニ…ック…様…」

そんな小さい頃から、想っていてくれた?

「ニック様っ…ニック様…ッ…」

「…晃一…」

嬉しくて嬉しくて…

ニック様に抱きついた。

「晃一…お前は誰が好きだ?」

「っ…私は…」

もう、我慢しなくていいんだ。

本当に、私は…

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