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恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

「やっ…!!」

「三神!!」

壊れるのではないかと思うくらい、乱暴に開かれた扉。

私は、目の前の光景が信じられなかった。

「ニ…ック様…?」

「お前、どうして…」

どうして、ニック様がここに…

アメリカにいたはずでは…

「三神に触るなっ!!」

「っ!?」

部屋に入って来るなり、リチャード様を殴り飛ばされたニック様。

「ぃっ…」

「リチャード様、大丈…」

慌ててリチャード様のお側によると、ニック様に腕を掴まれた。

「ニックさ…」

「こいつは俺のだ。 二度と触るな。」

「!?」

低い声でそう言い放つと、ニック様は部屋を出てご自身の部屋に入られた。

「!! ニックさ…」

部屋に入るなり、ベッドに私を押し倒されたニック様。

「あいつになにされた?」

「え…?」

ニック様…怒っていらっしゃる?

「答えられないことされたのか?」

「あ、の…別になにも…」

なんだろう。

これじゃ、まるでニック様が…

「こういうこととか、されてないか?」

「え…んっ!?」

リチャード様に妬いてるみたいじゃないか。

「んぅ…ふっ…」

バカか私は。

そんなこと、あるわけない。

「ニック…様っ…」

『ずっとジェシカのことが好きだったんだよ。』

「ぁ…」

…ダメだ。

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