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恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

「留架も明日から出張なの?」

「も…って…亮も?」

「うん。」

それはまた…すごい偶然だ。

「俺も明日から、イギリスの方に出張に行くんだ。」

亮様はイギリスか。

お二人とも、随分と急な話だ。

「どのくらい行くの?」

「うーん…三週間から四週間かな?」

帰って来られるのも、ほぼ一緒の頃か。

「わかりました。 準備しておきます。」

「あぁ。 よろしく。」

こんなこと、今までなかったのにな。

「じゃ。」

「あ、俺も行く。 じゃあね、三神。」

「はい。」

お二人が出て行かれ、部屋の中が静まり返った。

「はぁ…」

仕事が増えましたね。

まあ、問題ありませんが。

「失礼します。」

「どうぞ。」

この声は、小内君かな?

「三神さん、ちょっとお尋ねしたいことがあって…」

「どうしました?」

ちょうどいいタイミングで来てくれたな。

荷造りを手伝ってもらおう。

「この資料なんですけど…」

「あぁ…これは…」

小内君が取り出したのは、留架様に頼まれていた仕事の資料。

たしかに、これはややこしい。

「ありがとうございました。」

「いえいえ。 少し、お願いがあるんですが…いいですか?」

「なんですか?」

私は、留架様と亮様が出張なさることを小内君に説明した。

「それはまた急ですね。」

「ええ。 それで、今から荷物を詰めなければいけなくて。」

そう言えば、小内君は納得したように頷いた。

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