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恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

「俺が狙ってた子まで取られちゃうしさ~。」

「ははは。 みんな、遊び人のリチャードよりも、一途そうなニックの方がいいんだよ。」

女性の方も、自分のことを一途に思ってくれる人の方がいいんでしょう。

「俺だって結構一途だって。」

「毎日のように相手をとっかえひっかえしてるくせに、なに言ってんの。」

確かに、今の生活を見ている限りでは、一途とは思えない。

「ええ~…俺が何年留架を想ってると思ってんだよ?」

「はいはい。 その話はいいから。」

「フーッ!!」

留架様の肩に乗っている鏡夜君が、リチャード様に向かって威嚇している。

「うわっ!!」

「いい子だね、鏡夜。」

「にゃん!!」

鏡夜君は、留架様に近づく人に対して容赦がない。

あの亮様でさえ、最初は威嚇されていた。

「酷いな~…」

「…三神? 大丈夫?」

「え? あ、はい。」

心配そうに私の顔を覗き込んできた留架様。

「本当に?」

「はい。」

留架様は、納得がいかないご様子。

「……ま、いいか。」

「??」

時々、留架様の考えていることがわからない。

「あ、そうだ。 湊さんいる?」

「いますよ。」

リチャード様を引っぺがすと、留架様は真剣な顔になられた。

「次の仕事をお願いしたいんだ。」

「わかりました。 後でお部屋を伺います。」

「うん。 お願い。」

あ、そういえば、小内君が留架様に認められたのか…話していませんでしたね。

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