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恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

「あんまり他の男を褒めないでよ。 妬けるから。」

「はいはい。 ごめんね。」

相変わらず、留架様と亮様は仲がいい。

「あ、引き留めてごめんね。 期待してるから、頑張って。」

「はい。 失礼します。」

「失礼します。」

一礼してから部屋を出ると、小内君はその場に崩れ落ちた。

「大丈夫ですか!?」

「は…はい…」

相当緊張していた ようですね。

無理もないか。

「すごく緊張しました…」

「そんな風には見えませんでしたよ?」

堂々としていて、内心緊張しているのをうまく隠していた。

「こんな所で座り込んでいるのもなんですから、私の部屋に行きましょうか。」

「い、いいんですか?」

そういえば、私の部屋に入れたことありませんでしたね。

「もちろんですよ。 仕事も教えないといけませんしね。」

「あ、は、はい!! お願いします!!」

まだ体に力が入らない小内君を支えながら、私の部屋に戻った。

「なにか飲みますか?」

「え、あ、大丈夫です!!」

うーん…気分を落ち着けるためにも、なにか飲んだ方がいい。

「三神さんに淹れていただくなんて、そんな…」

「遠慮しなくていいんですよ? ココアでいいですか?」

「え、あの…」

返事を聞かずに、お湯を沸かし始める。

「小内君は、座って資料を見ていて下さい。」

「あ、はい…」

次の仕事はそんなに難しくなかったはず…

それをわかっていて、留架様も課題を出したんでしょう。

「うーん…」

まぁ…初めての人には多少難しいかもしれない。

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