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恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

「ほら、早く行こう。」

「あぁ…」

「はい。」

後で、リチャード様とニック様の部屋を掃除しておかないと。

「リチャードが起きてるなんて、珍しいな。」

「うん。 でも、徹夜明けみたい。」

徹夜で、誰かと体を重ねていたってことか。

「だから、変にテンション高いよ。」

「…めんどくさいな。」

ニック様はそう呟くと、それ以上は口を開かなくなった。

「お待たせ~。」

「遅いぞ、ニック!!」

「………はいはい。」

なるほど。

確かに、異常な程テンションが高いようだ。

「早く~!!」

「わかったわかった。 黙れ。」

こんなテンションなのは、随分珍しい。

「もう、冷たいな~。」

「…………」

双子なのに、こんなにも性格が違うのも面白い。

「…いただきます。」

「無視!?」

ふふふ。

この二人のやり取りを見ているのは、面白い。

「そういえば、三神、俺に話があるんだっけ?」

「あ、はい。 後程お部屋をお伺いします。」

「別に今でもいいよ?」

うーん…お話しするなら、小内君もいた方がいいだろう。

「いえ…紹介したい方もいるので…」

「? そっか。」

小内君のことは、留架様はよくご存知ないはず。

留架様や亮様の世話係という訳でもないので。

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