テキストサイズ

恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

「なんですか?」

「礼。」

お、お金とるんですか!?

「え、あの…今は財布を持っていなくて…」

「………」

勤務中は、財布を持ち歩かないことにしている。

「しょうがねぇな…」

「!?」

ニック様に腕を引かれたと思えば、ベッドに押し倒された。

「ニックさ…んっ!?」

誰かが入ってきても、おかしくないのに…

「ふっ…ニック様…ッ…」

ニック様とキスをするだけで、すべてがどうでもよくなってしまうような気がして…

「はぁ…ッ…」

もっと…ニック様を感じていたくなる。

「三神~?」

「!!」

留架様の声。

「どこ?」

だんだん、近づいてくる。

「今日はこれでチャラにしてやるよ。」

「っ…」

ニック様はそう言って、楽しそうに笑うと、私を起こしてくださりました。

「あ、いた!!」

私が立ち上がると同時に、留架様が部屋に入って来ました。

「もう、散々捜したよ~。」

「申し訳ありません。」

執事服を着た留架様は、私が頭を下げると困ったように微笑んだ。

「いや、全然構わないけどね。」

「…なにか、御用ですか?」

おかしいな…留架様に頼まれていた仕事は済ませたはずだけど…

「あ、そうそう。 リチャードがね、お腹空いてるんだから、さっさとニックを連れて来いって。」

「ぁ、そうですか。」

リチャード様…今日は普通に起きられたんだな。

「はぁ…先に食べてればいいものを…」

「リチャードは、ニックが大好きなんだよ。」

なんだかんだ言って、ニック様もリチャード様を慕っておられるようですし。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ