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「ニ…ックさ…」

「ニック～？」

「「!!」」

廊下から留架様の声が聞こえ、慌てて体を離す。

「どうしたの？　早くご飯食べに行こうよ。」

「…あぁ…」

「……………」


あ、危なかった。

もう少し早くいらっしゃっていたら、絶対にバレていた。

「？？　なんかあった？」

「いえ、別に…」

「………」

「？」

留架様が首を傾げていると、少し遅れて新人君が部屋に入ってきた。

「あ、ここにいらっしゃったんですね。

食堂でお待ちしていたんですが、中々いらっしゃらないので…」

「あぁ…すみません。　すぐ行きます。」

あ、そうそう。

この新人君の名前ですが…

小内湊君です。

恋人と同棲しているそうです。

「…………」

「……どうかしましたか？」

「あ、いえ…」

身体が熱い。

頭がうまく働かない。

「なんでもありませんよ。」

「…そう…ですか。」

どうして…キスだけで、こんな…

「三神、アレ…どうなった？」

「既に手配済みです。　あとは、向こうの出方を待つだけですよ。」

「わかった。　あとは俺がやっとくよ。」

それは非常にありがたい。

少しでも、片づけないといけない仕事が減るのは助かる。