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恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

「ニック様、夕食の準備が…」

あれ? いらっしゃらない?

でも、返事は聞こえたし…

「ニックさ…!?」

部屋に入った瞬間、ニック様に後ろから抱きしめられた。

扉の陰になっていて、姿を見つけられなかった。

「ニ、ニックさ…ま…」

「…………」

と、扉を開けっ放しにしてしまっているんですけど…

「あ、あの…一体…」

「…黙れ。」

「んっ!!?」

一瞬、なにが起きたのかわからなかった。

「ん、ぅ…ッ…ニ…ックさ、ま…」

ニック様の舌が口の中に入ってきて、ようやくキスされてることに気が付いた。

「ふっ…ぁ…は…ッ…」

し、舌が…

「はぁ…ッ…はっ…」

頭が…クラクラする。

キスって…こんなに気持ちのいいものなんですか?

「ッ…ニック様っ…」

「…っ…」

腰が抜けて、立っていられない。

「!!? ニックさ…」

急に、ニック様にベッドに押し倒された。

「お前さ…」

「…?」

押し倒されたまま、強く抱きしめられる。

「俺のこと誘ってんの?」

「ぇ…?」

誘って……!?

「そんなっ…ん!!」

反論しようとしたら、またキスされた。

「んんっ…ン…ッ…」

熱い…

身体の奥から、熱が湧き上がって…

「ふぁ…はっ…」

「……晃一…」

ニック様に呼ばれると、心臓が重く脈を打つ。

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