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恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

「いただきます。」

「にゃあ~。」

留架様達が食事をしている間、食堂の端に待機する。

「三神さん。」

「どうしました?」

終わるのを待っていると、隣に立っていた小内さんが話しかけてきた。

「すみません、今日…その…約束があるのを忘れていて…

できれば、今お話を伺ってもよろしいでしょうか?」

あぁ…恋人とデートの約束ですか。

「構いませんよ。」

恋人は大切にするべきだ。

「すみません。」

「いえいえ。 それでですね…お話ししたいことと言うのは、私の補佐をしていただきたいんです。」

「三神さんの補佐…ですか?」

「はい。 最近、仕事の処理が追いつかなくて。 できれば、あなたに補佐役として助けてほしいんです。」

今、最も信頼を置いている使用人。

彼になら、私の仕事の一部を任せても平気でしょう。

「僕なんかに…そんな大役…務まらないですよ。」

「そんなことないですよ。

あなたは仕事を覚えるのも早いですし、優秀です。

それに、正直者ですしね。」

彼以外には務まらない。

「もちろん、最初からできるなんて期待してません。

ゆっくりでいいんです。

少しずつ、私のことを補佐していただきたいんです。」

「…………」

まぁ…迷うのは当然だ。

まだまだ未熟なのに、いきなりこんな大役を任されたのだから。

「やってくれますか?」

「………はい。 よろしくお願いします。」

良かった。

引き受けてくれた。

「こちらこそ、よろしくお願いします。」

明日からが楽しみだ。

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